2023 Voluntary Carbon Market Review

sustainacraft, Inc.

本レポートについて

This work by sustainacraft, Inc. is licensed under CC BY 4.0

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Part1: Demand analysis

サマリー

カーボンクレジットの償却量はVCS, GS, ACR, CARの4つのレジストリー合計値として、2023年はこれまでに163Mユニット(2021年比約2%減)となった
● ただし、Toucan Tokenのようなプレイヤーの償却量を除くと、実質的な企業の需要は2021年よりも高い水準である

将来に向けては大規模な投資を表明している会社と、オフセットを取りやめる企業に2分される
● オフセットを取りやめる、もしくは大幅に数量を減少させていくと公表した企業としては、ネスレや武田薬品工業、easyJet、Gucciなどが挙げられる
● 一方で、これまではカーボンクレジットをそこまで積極的に活用してこなかった企業も長期目標を達成した上での残余排出量に対するオフセットを計画しており、大規模な投資案件を表明してきている

カーボンクレジットでのオフセットを表明している企業はほぼ例外なく、長期目標を設定
● セクターによって大きく異なるが、長期目標を定めている企業のうち30-40%の企業はカーボンクレジットでのオフセットを表明している

はじめに

Data sources
● Registry data (Issuance and Retirement): VCS, GS, ACR, CAR
● Net Zero Tracker: https://zerotracker.net/
● SBTi: https://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action#
● 企業の排出量データ(Scope1, 2, 3): Marginal Carbon(Robert Höglund)
● 企業のサステナビリティレポート
● 外部記事

Contents
● Retrospective: Retirement Analysis
● Projection: 企業のサステナビリティレポート、外部記事

Disclaimer
● 企業の償却実績は半数以上が匿名もしくは企業名が特定できない形で入っており、また名称が入っているものでも名寄せが必要なケースが多く、正確性は保証できない旨、ご了承ください。
● また、企業とセクターの紐付けは当社の基準によります。

Glossary

  • Project Type
    • Nature Restoration: Mainly ARR, IFM, ALM
    • REDD+: Mainly REDD (AUD, APD), plus WRC
    • Non-CO2 gases: Mainly AWD
    • Energy Efficiency: Non nature-based (Mainly renewables)

  • Project Subtype
    • ARR: Afforestation and Reforestation
    • REDD: Reducing Emission from Deforestation and forest Degradation
    • WRC: Wetland Restoration and Conservation
    • IFM: Improved Forest Management
    • AWD: Alternate Wetting and Drying
    • ALM: Agritulcural Land Management

Retirement and Issuance overview
対象データ: Verra, Gold Standard, ACR, CAR

Annual retirement and issuance by Registry

償却量に対して発行量が過大である状態は2023年も続いたが、VCSについてはそのギャップはやや小さくなった。12月に発表されたREDDの新しい方法論VM0048(Consolidate Methodology)が控えていたことや、水田メタンの方法論が無効になったことなどが関連していると想定される。

Retirement analysis
対象データ: Verra, Gold Standard, ACR, CAR

Annual retirement trend by Registry

2023年の償却量は4つのレジストリー合計で163MtCO2であり、2021年度比で約2%減でした。VCSは115MtCO2、続いてGS、CAR、ACRが並ぶ。

Annual retirement trend by Sector

セクターごとに見ると、匿名のレコードが大半を占めている。Toucan Tokenなどが含まれるEnviromental Servicesセクターを除くと、2021年より需要は増加していることがわかる。

Last 3-years sector trend

2023年に償却量が増えたセクターとしては、エネルギー、自動車、運輸(陸運・海運)などが挙げられる。一方で、償却量が減少したセクターは、航空、TMT(テック・通信)、消費財などである

Annual retirement trend by Project type

償却されたクレジットの種類としては、依然として再エネ系のエネルギー効率系のクレジットが大半を占める。ただ、この3年はREDDやNature Restorationなど自然由来の割合が増加している。

Last 3-years sector trend

レジストリーごとに償却されたクレジットの種類は以下の通り

Last 3-years monthly trajectory

12月は最も償却量が多いが、2023年はこの3年で特に多かった。特に、ここ数年、毎年2月に大きな償却をしてきたShellが12月に大量の償却をした影響が大きい。

Active Players in each sector
ここでは、2022年と2023年それぞれについて、セクター別企業別償却量のツリーマップを示す。面積が大きいほど償却量が大きいことを意味する。

Tips: Interactivity of treemap in the slides

By clicking each sector, the selected sector is focused and detail will be shown.

Active players in 2022

2022年ではエネルギー、続いて航空セクターの償却量が大きい。

Active players in 2023

2022年と比べると航空の数量が大きく低下している。消費財も低下しており、その顔ぶれも変化している。TMTは全体の数量は変化しているものの顔ぶれは大きくは変わっていない。

Sector analysis

2021年から2023年の3年間で償却量の大きい企業20社について、その内訳を示す。

Energy

全体的にボリュームは増えており、特にShellの数量が大幅に増加。本セクターは自然由来クレジットを好んで選択している。

Ref: Energy (Scope 1,2,3 emission)

Scope1,2に限ったとしても50-100MtCO2の企業がそれなりに存在しており、今後排出削減が進んだとしてもある程度残余排出量は残るものと想定される。

Healthcare

セクター全体で1MtCO2にも達していない。2020年は武田薬品が1M+の償却をしていたが、この数年はどの企業も100k-200k程度に留まる。一方で、将来に向けての投資意欲は高く、2030年ごろの償却量は今とは大きく異なると想定される(後述)

Ref: Healthcare (Scope 1,2,3 emission)

Consumer Goods

2023年はそれまで2年間と比べて大きく償却量が落ち込んだ。特にNestle、Nespressoによる影響が大きい。

Ref: Consumer Goods (Scope 1,2,3 emission)

ここで表示している企業数は限定的であるが、Scope3が非常に大きいことがわかる。このような構成の中で、オフセットからインセットへのシフトが進んでいる。

Fashion

GucciやChanelの数量が大きく落ち込んだことで、セクター全体として非常に小さい数値となった。基本的には消費財と同様の傾向が見られる。

Airlines

デルタ航空の数量がほとんどなくなったことが大きな影響を与えている。 (一方で2024年からフェーズ1が始まる中で、CORSIA適格クレジットへの需要は高い。)

Automobiles

自動車業界は、Continental以外はフォルクスワーゲングループが市場を牽引している。エネルギー系のクレジットも使われているが、REDDを中心に自然由来クレジットへの投資も強化されている。

Technology and Telecommunication

TMTは様々なプレイヤーが存在しているが、NetflixやApple, Microsoftなど高収益テック企業は自然由来、特にNature Restoration系の高価格帯のクレジットの調達も積極的に行っている。

Ground and Maritime Transportation

陸運と海運は、まだあまり活発な動きは見られないが、陸運は日本のヤマト運輸、海運はCMA CGM社がそれなりの数量を2023年には償却している。海運はIMOによる脱炭素目標の強化のもとで、セクター全体としてある程度脱炭素への取り組みは加速化すると想定される。

Projections
将来に向けた企業の表明
● Carbon CreditでのOffsetを表明している企業は多い。
● そのような企業はほぼ例外なく、Long TermのTargetを設定している

セクターごとのカーボンクレジットオフセットの表明度合い

セクターごとに異なるが、それぞれのセクターで1-2割の企業がクレジットによるオフセットを表明している

セクターごとの長期目標の設定度合い

長期目標は全てのセクターですでに過半数の企業が長期目標を設定している

長期目標の設定有無と、Carbon CreditでのOffsetを表明している割合(セクター別)

カーボンクレジットでのオフセットを表明している企業は、ほぼ例外なく長期目標を設定している。長期目標を設定している企業のうち、クレジットでのオフセットを表明している企業は、セクターによっても異なるが、航空(78%)や化石燃料系(45%)を除いても、大体25-40%程度にのぼる。消費財は最も低く、20%程度である。

これは、長期的な排出削減目標を達成した後の残余排出量をオフセットするという企業の意向を表している。

長期目標の年度設定の分布

長期目標の目標達成年度としては、航空系を除くと概ね2030-2050年に分布している。このことから、2030年ごろ、もしくはそれに目掛けて、長期目標での残余排出量に対するオフセット需要が高まると想定される。

長期目標の設定有無と、Carbon CreditでのOffsetを表明している割合(国別)

日本は相対的に長期目標を設定している上で、オフセットを表明している企業の割合が低く、20%程度に留まる。

企業のオフセットへの投資意欲及び外部記事のセンチメント分析

ここでは、数百本以上の企業のサステナビリティレポートや外部記事を分析し、オフセットに対する投資意欲や、外部記事からわかるセンチメント分析を実施しています。セミナーでは、以下示されている7つのセクターについて、各セクターの企業がサステナビリティレポートで表明していることの概要や、外部記事でアナウンスされている投資案件、批判記事などを紹介しました。本機能は現状ベータ版ですが、興味のある方は是非ご連絡ください。

Part 1: Demand analysis

Wrap-up

セクター 2023年振り返り
Healthcare

ヘルスケア
● 償却量は2021年以降は多くなく、セクター合計で100万ユニット未満程度の償却に留まっている。
Biogenなどオフセットの利用を取りやめた企業がある一方で、GlaxoSmithKline、AstraZeneca、Bayer、Merck社など、直近では長期目標の設定と合わせて、残余排出量のオフセットを明言している企業が多数存在し、大規模な投資案件も公表されている。
(例えば、AstraZenecaはAZ Forestプログラムに4億ドルの投資を発表、BayerはLeaf Coalitionに参画しており、GSKも2030年に230万tCO2程度のオフセットをプロジェクトパイプライン持つことをKPIとして設定している)
Consumer Goods

消費財メーカー
NestléNespressoなどは明確にオフセット市場からの撤退を表明した。
● 消費財メーカーは自社バリューチェーンにおいてAFOLUに直接的に影響を与えているケースが多く、オフセットではなくインセットへの移行が進んでいる。
● 一方で、インセット自体についても、オフセットと比べて認証が不要なことなどが挙げられており、その効果に疑義が呈されている。
Fashion

ファッション
GucciPradaなど高級ブランド系がこれまでオフセット市場を牽引していたが、Kariba案件等を調達していたことで批判にさらされ、いくつかの企業はオフセットからの撤退を表明。
● 消費財と同様に、オフセットであれインセットであれ、自然資源への投資は強化している
Energy

エネルギー
ShellPetroChinaはオフセットに対する批判を受けており、Shellはオフセットへの投資のアグレッシブな計画を一旦撤回した。
● しかし、2023年はエネルギー全体としてこれまでの中で最も償却量が多かった年であり、Shellは11月、12月にも大量の償却をしている。
(Shell単体としての償却量も2023年は1,200万ユニットを超えており、2022年から大幅に増加した)
TotalEnergy社も、2030年以降、自然由来のプロジェクトに対して、年間1億ドルという大規模な投資計画を公表している
Airlines

航空
● 2022年までオフセット市場を牽引してきたデルタ航空が2023年に集団訴訟などあり、デルタ航空easyJet社がオフセット市場から撤退し、2023年の償却量は大幅に減少した。
● 一方で、脱炭素への道筋は遠く、CORSIA適格クレジットの需要は今後固いと想定される。
Ground and Maritime
Transportation


陸運・海運
● 海運はIMOが主導する「2050年頃までにGHG排出ゼロ」を掲げていく中で、CMA CGMMerskなど積極的な取り組みが目立つ
(CMA CGM社は、$30/tCO2弱と昨今のボランタークレジットとしては非常に高い価格で取引されているマングローブ植林案件のクレジットも調達している。)
● 陸運については、これまで償却量の多かったDPDグループの償却量は2023年は低下したが、ヤマト運輸が大量のエネルギー由来のクレジットを償却。
● 結果として総量としては2021年から2年連続で償却量は増え続けている。
Technology and
Telecommunication


テクノロジー
MicrosoftNetflixなどの高収益テック企業はNature Restoration系のRemovalクレジットへの投資を強化している。
● Removalへの注力はMicrosoftなどはサステナビリティレポートの中で明言。
● 高収益企業は自然由来のプロジェクトに加えて、技術由来除去クレジットへの投資も表明している

Part2: Supply Analysis

サマリー

2020年以降、非常に多くの自然由来のカーボンプロジェクトがパイプラインに上がっている
● すでに登録されている案件では、年間排出削減・吸収量(以降Annual ERと表記)ではREDDが中心であったが、今後は陸域の植林を中心としたNature Restoration系の案件が件数・数量ベース共に大量に市場に出てくることが想定される。
● また、今までは少量であったALM案件がパイプラインに数多く上がってきており、案件単位での規模感も、REDDの大規模案件と同等程度のものが複数出てきている。
● AWD(水田メタン削減)案件はアジアを中心にかなりの規模が出てきていたが、CDMベースの方法論への問題が指摘され、現在はペンディング。新たな方法論の改訂まではGSなど別のスタンダードでのプロジェクト組成が進むと想定される。

2023年は、それぞれの方法論について様々な改訂が発表された。
● ICVCMのCCP(Core Carbon Principle)が方法論の改訂に大きな影響を与えており、ベースライン(保守性や恣意性の排除、ダイナミックベースラインの導入)やセーフガードの強化が図られた。

はじめに

Data Sources
Registry data: VCS

パイプライン案件の時系列分析について
● 本分析では、以下2つのアプローチで時系列でのパイプライン案件を分析しています(ただし、以下それぞれ情報がない案件も多くあります)。
● また、本分析においてPipelineとしている案件は、Under ValidationUnder Developmentのステータスが大半を占めますが、一部別のステータスも含めています。


  • Crediting Period Start Date: クレジット発行期間の最初の日付(GHGの削減・吸収が実現される活動が開始されたタイミング)
  • Listing Date: レジストリーに何かしらのドキュメントが登録された最初の日付(レジストリーに対する申請活動が始まったタイミング)

Overview of pipeline projects

Number of proejcts per status

レジストリーへの申請は2022年から急増している。一方で、それらの案件の活動は2020年近辺にはじまったとしている案件が多い(以降、2010年以前は非表示)

Number of projects per project type and status

この2年間で、REDD、及び、Nature Restoration案件はこれまでに登録されていた案件数とほぼ同数が単年でパイプラインに上がってきている。

ER per project type and status

数量(年間のER)ベースでも、この2年間ではREDD以上にNature Restoration案件が増えてきている

Analysis of Nature-based Solutions
● 以降は、Nature restoration、REDD+の案件についての分析を進めます

Number of projects per proejct-subtype and status

案件数ベースで、すでに登録されている案件の2倍以上の案件がパイプラインに上がってきている。中でもALMの案件が急増している。

ER per project-subtype and status

数量ベースで見ると、案件数ベースで見る以上にALMの割合が大きいことがわかる。ALMは案件の数が多いのに加え、プロジェクトごとの規模も大きい案件が多く、結果としてパイプライン案件の規模感としてREDDに匹敵している。

Geographic distribution

Geographic distribution

注:正しく表示されない問題が確認されています。ウィンドウのサイズを少し変更するだけで、正しく表示されるようになります。

Project Developers distribution
● ここでは、プロジェクト実施主体別、国別(プロジェクト実施場所別)の年間ERをツリーマップで示した。ツリーマップの面積が大きいほど、年間ERは大きい。
● ALMにおいて新興企業が急速に拡大し始めていることは注目に値する。

Project size distribution
● REDDと同等規模のALM案件が複数登場している

Tips: Interactivity of boxplot in the slides

To exclude the anomalies, please select the range in the chart.

Annual ER distribution

WRCやREDDは大規模な案件が多いが、ALMもAnnual ERが1MtCO2を超える案件が多く存在する。

TOP 20 Annual ER projects

REDDやインドネシアの大規模なWRC案件に加え、パイプライン案件では大規模なALM案件が多く、Annual ER上位20件のうち約半数をALMが占める。

Detailed project analysis

このセクションを詳細には扱いません。当社は、自然由来プロジェクトについて、特にクレジット発行前のプロジェクト初期段階における詳細なプロジェクト・デューデリジェンス・サービスを提供しています。当社のサービスについては、最後のセクションをご参照ください。

haあたりの年間ERは、(発行後プロジェクトの)品質と(早期融資案件の)事業計画の妥当性を評価するために最初に見るべき重要な指標です。REDDとWRC(泥炭地)の案件では、これはベースラインの森林減少率に基本的には対応するのに対し、ARRは年間樹木成長率に対応します。なお、泥炭地の数値が高いのは、ベースラインシナリオでの微生物分解によるGHG排出が大きいこと(植林に転換するための排水によるもの)を考慮すれば、概ね正当化されます。

Part2: Supply analysis (Wrap-up)

Methodology update summary

方法論に関するより詳細な情報については、当社で発行するニュースレターをご参照ください。
https://sustainacraft.substack.com/

方法論 2023年振り返り
全般 ベネフィットシェアリングやセーフガードの観点から、プロジェクトタイプを問わずより厳密な要件が課された。この背景として、KaribaやKasigau案件など顕在化した人権問題や、ICVCMのCCPの要件などが挙げられる。また、森林火災など気候変動リスクが上昇しているなかで、レジストリ全体としてのバッファープールの有効性に疑問が呈された。

Verra: VCS Standard v4.5を発表。ICVCMのCCPを踏まえ、セーフガードやコミュニティへの利益還元など今まで曖昧であった項目に対してより明確に要件が定められた
また、非永続性評価ツールのNPRT v4.2を発表。過去のトレンドだけでなく、将来の気候変動リスクも考慮してバッファークレジットを算出するような改訂が追加
ERS(Ecosystem Restoration Standard)など、特定の領域に特化した新興スタンダードも登場。レジストリ自体が過剰発行に向かうインセンティブがない価格設定を強調している。
REDD+ Guardian記事やWest論文、NewYorkerの記事など、REDDのプロジェクトレベルでのベースライン設定や人権問題などを疑問視する記事が多数

Verra: 管轄区域レベルでのベースライン設定を求めるConsolidated MethodologyのVM0048を12月に発表。管轄区レベルのREDDとの共存が想定されており、ベースライン設定の恣意性を排除。AUD(Avoided Unplanned Deforestation)については、既存のVM0006, VM0007, VM0009, VM0015, VM0037が今後はVM0048に集約される。
ART TREES: J-REDD(国・準国レベルのREDD+)のプロジェクトが多く予定されており、今後発行量は劇的に増大する。ただし、国・準国によってはNDCのみでの利用が想定されている案件も多いため、発行量が全て国際取引可能なものとは限らないことに注意が必要。なお、ART TREESはCORSIAの第1フェーズにて適格クレジットとされている
ARR REDDへの批判が相次ぐ中で、吸収系クレジットであることから需要・供給ともに上昇。一方で、大規模な単一樹種の商業植林でクレジットを生み出すことの是非が議論された。

Verra: これまではCDMベースの方法論を用いていたが、今後はVM0047に集約される予定。単一樹種ARRに関する議論が活発に行われた。
  – 陸域の植林:CDMベースの既存のARR方法論に変わり、Verra独自のVM0047に集約される。ここでは、ダイナミックベースラインが導入されることが一つの特徴。また、CCPでの要件を踏まえ、非在来種単一樹種の植林に関してはVCS Standard自体で要件が追加されている。ただし、その要件はまだ議論中であり、12月に再度パブコメが開始された。
  – 干潟での植林(マングローブ植林など):AR-AM0014、AMS0003に変わり、VM0033に今後集約される予定である。VM0033自体は保全も対象としており、干潟の保全についてはREDDの方法論であるVM0007から移行が求められる。
Gold StandardPlan Vivoなどに加えて、ERS(Ecosystem Restoration Standard)など新興スタンダードも登場
IFM REDDと同様にベースラインの過剰設定を批判する記事・論文が登場。ACRCARなど北米を対象とするスタンダードの案件が多く、日本企業としてはCORSIAの観点での需要が主であった。

Verra: これまで複数のIFM方法論を用意してきたが、様々な活動タイプを想定した包括的なVM0045を発表し、今後はこれへの一本化を図る。ただし、VM0045はパイプラインに上がっている案件は未だ1件であり、既存のVM0010, VM0012, VM0003が現状はメイン。ACRの以下と同様に、吸収と回避についてラベルを分けて創出することに関するパブリックコンサルテーションを12月に開始。
ACR: IFMプロジェクトは一般に回避と吸収の組み合わせでクレジットが創出されるが、吸収と回避についてラベルをつけて創出することを発表。吸収系クレジット需要喚起を意図していると想定される
ALM これまでの発行量は限定的だったが、新たなALMの包括的な方法論であるVM0042が登場し、今後供給量の急速な拡大が見込まれる。大規模なREDDと同等の規模感が想定される案件が複数予定されており、自然プロジェクトの供給に大きな影響を与えうる。REDD+は回避系であるのに対し、ALMは吸収系(もしくは回避系とのミックス)のクレジットであるため、強い需要も見込まれる。

Verra: VM0042は現時点で登録プロジェクトは1件のみであるが、パイプラインに上がっているプロジェクトは多く、自然由来プロジェクトにおける年間の削減・吸収規模の上位30件のうち8件を占めるまでに至っている。VM0042は厳密な定量化が特徴であり、統計的なモデリングについてはその領域専門の第三者VVBによるバリデーションを要件としている。
AWD VerraがCDMベースの稲作メタン排出削減の方法論がinactiveとし、中国やインドで多数プロジェクトが計画されていたが、現在多くはGold Standardなどの別のスタンダードで開発が進んでいる。

Verra: これまではCDMベースのAMS-III.AU(稲作における水管理方法の変更によるメタン排出削減)を用いていたが、無効化し、現在上記のVM0042に統合する形で改訂が検討されている。
番外編

Biodiversity
2023年は生物多様性クレジットに関しても具体的な方法論が出てきており、炭素便益だけではなく、非炭素便益にどう価値付けをし、ファイナンスを促進するのかが議論されている。

Verra: Nature Frameworkを発表。REDDに注力してきたVerraならではの、Avoided Loss(回避された損失)の定量化を想定しており、かつREDDの教訓をふんだんに取り込んだ考え方となっている。
Plan Vivo: Plan Vivo Biodiversity Certificates (PVBCs)を発表。基本的には純増のみが考慮されており、種数だけでなく個体数まで調査することが前提となるような厳密な指標が提案されている。

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